予感の手触り

感想の掃き溜め

家政婦のミタ9話

家政婦のミタ」9話観た。うららとミタは対照的な登場人物だ。というのも、ミタは自分の出来ること・出来ないことの限界をきちんと認識し、それ以上のことは決してしないのに対し、うららは自分の限界がわからず、気持ちが先行して結局迷惑をかけてしまう。

これはどちらが良いか悪いかという問題ではなくて、どちらもあり得る生き方の問題。しかし、往々にして「隣の芝は青く見える」。うららのその感情が、恵一に「ミタさんとは関わらない方がいいと思う」という発言に表れている。自分とは違う生き方をする人間は「怖い」から「関わりたくない」。

うららの成長の契機があるとすれば、それは「自分と異なる他者の存在を認めて」「その他者の心に思いを馳せる」ことだろう。これは、阿須田家を代表にして今まで描かれてきた「現代社会の人間像(責任放棄・転嫁)」へのアンチテーゼでもある。

今度はミタに目を移すと、前話から一歩進み「過去を受け入れてくれる」ところまではクリアした。今度はミタ自身が「過去を受け入れ、前に進む」必要がある。そのためには、現在の、家政婦としてのミタの生き方を肯定してもらわなければならない。しかしもう布石は十分に打ってある。成功しそうだね。