予感の手触り

感想の掃き溜め

赤瀬川原平@千葉市美術館

2011/11/8(土)に千葉市美術館で開催されている赤瀬川原平展に行ってきた。
以下、備忘録。
木版画の神様 平塚運一展|2018年度 展覧会スケジュール|千葉市美術館


・人間には個別性はなく大きなシステムに動かされる存在、という認識が一貫して作品に現れる。
一番わかりやすいのは、コンピューターに女性がつながれたコラージュ作品。他、細胞壁真空管が「大きなシステム」の具体化(「宇宙」のモチーフとして用いていると彼自身からのコメントあり)。

・個別性はないとする認識は、人間だけではなくモノに拡張。
モノの匿名性を表す手法は、梱包。翻って人間をモノ化する方向に作品は移っていく。具体的には、人間の身体データを測定、「シェルター」と名付けられた長方形のモノに変換される。
これは推測でしかないが、彼の貨幣の認識とリンクしている気もする。

・なんかの展示会のビラに書かれてた言葉「人間の存在は流動物だが、鋳物に入れて固める作業は無意味。むしろ撹拌して空白にしたい」という宣言は、上記認識をさらに推し進めたものと理解してる。

・しかし最後には、「水滴のマリア」という作品で、作品に「汗・肌感覚・匂い」を与えたのは少々ビックリした。その揺り戻しがどういう理由によるものかはわからなかった。

・後半の漫画とかはほとんど興味わかずスルー